蜘蛛の糸

audiobook (Unabridged)

By 芥川龍之介

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「蜘蛛の糸」は1918年に芥川が初めて手がけた児童文学です。

この話の材源は、ポール・ケーラスによる

『カルマ』の日本語訳『因果の小車』の中の一編であることが定説となっています。

ある日の事でございます。

御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。

池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、

何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。

極楽は丁度朝なのでございましょう。

やがて御釈迦様はその池のふちに御佇みになって、水の面を蔽っている蓮の葉の間から、

ふと下の容子を御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、

水晶のような水を透き徹して、三途の河や針の山の景色が、丁度覗き眼鏡を見るように、

はっきりと見えるのでございます

蜘蛛の糸